IoT Kickoff Vol.1を共同開催ふりかえり

ライオンさんとIoT Kickoff Vol.1を共同開催してきたので、どのように動いたかなどメモを残しておきます。

ライオンさんの記事はこちら。 → IoT Kickoffの第1回目を開催しました! – オレンジライオンの足跡

当日の参加の雰囲気

募集内容は以下の通りです。

  • 中級者~上級者
  • IoTしてみたいデザイナー
  • IoTしてみたい企画
  • IoTしてみたいエンジニア

という募集にしました。

IoT Kickoff #1 – connpass

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最近IoT案件をやってみて思うのは、情報の見せ方やプロダクトとしてのデザイナーさんの動き、IoTをどのように活かし面白くするかという企画さんの動き、そして、IoTという総合的な技術要素に関わるエンジニアさんの動き、というように各職能を横断的に関わっていくことになるだろうなーという予感があり、募集内容の立て付けとしては色々苦心したのですが、このようにしました。

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Starwbeesでいろいろなパートが組み合わさって形ができているイメージ(強引)

私は中級者~上級者として1名で参加しました。

この「中級者~上級者」というのも、なかなか定義が難しいのですが、IoTをやったことがあり「お互いを尊重しながら、ひとまずやってみよう、話してみようという気持ちでワイワイと助け合える素敵な方」ということで、もくもくと作業もするかもしれないし、IoTしてみたい人たちを自分のIoT知見からサポートするかもしれないし、と考えていました。

会場

さて会場のお話。

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会場は茅場町Co-EDOの4Fをお借りさせていただきました。テーブルもしっかりとありコンセントも豊富。

もちろんプレゼンテーションするディスプレイもあり、しかもホワイトボードもあるのですぐディスカッションもできそう。と、いたれりつくせりでした。

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当日の進行の様子。広々と使えて10人くらいであれば、スペース的にも申し分なく進行できました。

いろいろ持っていった感想

さて、今回は初回ということもあり、機材は、どんな場合でも何かしら興味が引っかかるように持ちうる全方位で持っていきました。

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結果としてアタッシュケース1つぶんになりました笑

もちろん、今後、中~上級者の方が複数人居れば、事前に分担して持ち寄ったりして、各自の荷物はこんなに多くなくて良いでしょう。(持ってきてほしいという意味でなく、話のネタになるので任意で、というところ)

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Grove・littleBits・ESPr Developer・Wio Node・Starwbees・Arduino Groveシールドなどなど持っていきました。

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書籍もlittleBitsの説明用に拙著「「littleBits」ではじめる電子工作」や蔵下さん著「センサーでなんでもできる おもしろまじめ電子工作」の本を持っていきました。

書籍は、興味を持った分野が書籍で説明されてい場合、パッと渡して個人で深掘りできるのが良いと感じました。

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私の担当した説明部分「IoT事例の紹介とかいろいろ」という登壇では事例だけの紹介というよりは、IoTにはいろいろなパートの人が関われるよということを強調しつつ、うまく考えが広がった状態でもくもく会につながるようにしました。

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その後、開始となるわけですが、最初の切り口は、ひとまず自前のGroveを見せながら様々なセンサーやアクチュエータ(動き)を見せながら、あんなことができるかも、こういうこともできるんですよ!という形で、考えを広げていきました。

座学ではなく、触って体験する感じです。

さて、実際に、もくもく会の前半はそのような形で進み、「IoTやってみたい」みなさんにどのように、持ってきた各機材がそんな風に感じられたか、以下に書いていきます。

Grove

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まず、Groveは、ハンダづけや回路が難しいと感じられる人でもパッとイメージが伝えやすい印象。

更にいうと、Groveが分かる人が「これはこんなふうにセンサーで取得できる」「こんなふうに動きますよ(サーボを見せながら)」と言った風に電源が入っていなくても伝えることができ、基盤に「WATER SENSOR」といった刻印もあり「センサーっていろいろあるんだ」というセンシングをもとにしたIoTの広がりが見せやすかったです。

littleBits(と、CocoaBitと、Bluetoothモジュール)

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littleBitsもGroveと同様にハンダづけや回路が難しいと感じられる人でも伝えやすい電子工作器具。こちらは通電させてパチパチとつないで動作の雰囲気は伝えやすく、さらにいうと実際に触って体験してもらいやすかったです。

なにより見た目のデザインが良く、とっつきやすさは最高。とりあえず触りたい人や仕組みよりも動く楽しさを大事にされる方には良い感触。

ただし、さらに進んで実際にIoTつくろうとなった会話のときには、子供でも制作しやすくするためにブロック形状をしているので小型化や回路の再整理が苦手というところが、もくもく会で完成させたい人には難あり。

さらにBluetoothモジュールを利用して、IoTの大事な要素である無線操作や遠隔で動かす感覚は、みなさんに伝わり楽しんでいただきました。IoTですとインターネットも重要ですが、無線で遠隔で動かすというところも大事ですよね。

ESPr Developer + Groveシールド

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GroveをIoTとして動かすものとしてESPr Developer + Groveシールドがあります。

実際に出来上がったものを、しっかりプレゼンする上では良いのですが、作業工程がArduino IDEを入れたり、差し込んだGroveセンサーに合わせてArduinoのCプログラミングをしたり、Milkcocoaに送ってみてデータが溜まる様子を確認したりと覚えることが多いです。

このように習得することが多いともくもく会は数時間程度。この時間内に制作をやりきるには、かなりハードルが高くなります。今回の持参物の中では「もっとも多様性があり色々と組めるけど習得の大変さがある」というネタでした。

とはいえ、習得の大変なものの、IoTにおけるセンシング・データ取得・データ蓄積・フィードバック(データ分析の結果反応を届ける)というのが、まんべんなく実装体験できます。

各職能の方々が横断的に関わって、一つのIoTプロトタイプを仕上げるといった流れに向いているのかもしれません。こちらも今度のIoT Kickoffに参加される参加者の構成次第で変わってきそうです。

Wio Node

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こちらもGroveをIoTとして動かすもの。ESPr Developer + Groveシールドと比べては手軽なのですが、スマートフォンアプリでArduino IDEなしで書き込むことができ、Seeed Studio社に自動でWEBの窓口(API)ができるというネタ。

エンジニア目線で言えば簡単さが増しているのですが「Groveのセンサーは絞られるが(それでも色々できて)色々と組めるけど、WEBの窓口(API)から、自分のやりたいことに引き込む知識習得が必要」。

ESPr Developer + Groveシールドよりは手軽でも、もくもく会内で制作をやりきるにはハードルが高い印象。

もちろん、サーバーの知識が豊富な方であれば、電子工作の手間が少なめの自分の土俵でサーバーをうまくつないでデータ活用をすれば良いので使いやすいと考えられます。こちらも今後IoT Kickoffに参加される参加者の構成次第で変わってきそうです。

当日は、私がサッとデモをするときに主に利用しました。

MESH

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さて、ここまでいろいろと説明してきてIoTが分かってきたところで、イメージはできるけど、もう一息分かりたいという雰囲気になってきました。

ここでさらに伝わりやすかったものがMESHです。

もちろんここまでのGrove→littleBits→ESPrとつないできた蓄積あってこそですが、スマートフォンとMESHだけでいろいろと動作するさまが見れるのは、Bluetoothで無線で遠隔で動かすというところ伝わりやすく、IoTの仕組みが一歩深く伝わった印象はありました。

MESHは、実のところIFTTTやmyThingを使いインターネットに引き出すところは苦労するのですが、littleBitsやGroveといった他の機器と同様に、適材適所でIoTで知って楽しむというのことも大事だなーと感じました。

後半、IoTを具体的に作りたい方のフォローをする

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さて、前半はIoTっていろいろあってね。という会話を数人でしましたが、後半は少し河岸を変えてIoTを具体的に作りたい方がいましたの技術フォローをしました。

その方のやりたいことは人の存在管理を、ドアの開閉で管理したいというお話でした。(具体的にどうするというところは、今回はご本人も検討中ということもあり割愛いたします。今後はうまい具合に公開できたら良いなと思っています。)

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実際には、このように、その場で、やりたいことをヒアリングをしまして、実現するためのフォローしました。

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ご本人がRaspberry Piも持ってきていただいていたので、これで出来そうな可能性も会話しつつ、今回は用途に一番合いそうな ESPr Developer + Grove(磁石センサー)で仕組みを一緒に考えてみました。

最終的には私が実装をやってみて上記構成が出来上がりました。

最終的なセンサーの設置でどうするかは置いておいて、こういった知見を共有してもくもく会は時間終了となりましたが、ある程度、実際のセンシングはこうなんだという世界観は伝えられたと思います。

なによりご本人が楽しそうに理解いただいていたのがうれしかったです。

ということで

私のようなスキルにあたる人は、今回は最初というのもあり、前半後半を通してワイワイと楽しんでサポーター要素もの動きが多かったです。こちらがIoT経験者な人の参加が増えて、より多くのサポートができると楽しそうですね。

また、いままで、私が好きで身につけたIoTについて知識が、今回をIoTをやりたい人の目の前に、いま一度置きなおして、総合的になにか実現しようと動けたのは収穫。

そして、IoT自体、複合的に組み合わさった技術たちの組み合わせの妙というところがあり、いろいろな方が横断的に関われる方向につなげられそうな可能性を感じました。

そういったことを、また次回開催時には試してみようと思います。